狩猟記 巻き狩り #1

Season 2 (2018)


初のフルシーズンを迎え、憧れの狩猟スタイル「忍び猟」を実現し、その興奮も冷めやらぬまま、もう一つの狩猟スタイル『巻き狩り』の日が来ました。『巻き狩り』はグループ猟であるため、基本的に日曜日に行います。11月15日に今シーズンの初猟(忍び猟)を行い、18日には2回目の狩猟を行える。恵まれていますね。

ということで、今回は「巻き猟」についてです。

今シーズン初の巻き狩り

日曜日の早朝、今シーズン初の『巻き狩り』に参加するため、集合場所に向かいます。つい先日憧れの「忍び猟」を行ったばかりですが、グループで行う「巻き猟」も私は好きです。狩猟を行えるということもありますが、先輩猟師からいろいろな話が聞けます(狩猟のことや猟銃のことなど)し、猟犬にも興味があることから「巻き猟」において、ある意味主役である猟犬に会うのも楽しみだからです。

早めに集合場所に到着すると、すでに数人の先輩猟師の方々が来ていました。早いですね〜みなさんw。早速挨拶をしながらいろいろな話(猟銃のことなど)に花を咲かせます。こういうのがとても楽しいんです。

そのうち集合時間となったため、1R目の作戦を聞きます。各自「待ち」の場所を割り当てられ、それぞれの持ち場に移動します。「待ち」についてから辺りを見回し、準備をする。そして息を潜め、猟犬の鳴き声に集中する。「忍び猟」とは違うこの緊張感、これですよね「巻き猟」は。やっぱり狩猟っていいな〜とか思いながら、とにかく待ちます。そういう役割ですからね。

結局、猟犬が鹿につかなかったようで、一度集合することになりました。そして、別の場所から猟犬を入れるとのことで、また各自に「待ち」の場所が割り当てられます。今度は沢が近い場所です。「待ち」につくまで沢を登っていきますが、いたるところに鹿や猪の足跡があります。

昨シーズンはあまり猪の痕跡は見なかったのですが、今シーズンはすでに猪に遭遇してますし、フィールドサインも確認できていることから、仕留められる可能性があるかもしれません。期待を胸に「待ち」につきます。

静まり返った山の中でふたたび息を潜め、気配を殺します。すると、猟犬が吠える声が聞こえてきました。これはもしや?と思っていましたが、結局私の所ではないところに鹿が出たようです。グループの先輩猟師が仕留めました。

残念ですが、これも「巻き猟」です。装弾を相棒から脱包し、解体場所へ向かいます。すでに鹿が吊るされ、解体が始まっていました。鬼のような小さな角がある雄鹿ですね。解体した肉はメンバー全員に均等に割り振るのも「巻き猟」のいい所ですw。

昼食後の3R目
昼食休憩をとりながら、先輩方と談笑します。話題はもっぱら猟銃の事や狩猟の事。楽しいんですよね。普段そういう会話をすることがないんで…

先輩方は毎年北海道に行っているので、その話を聞きました。もちろん写真も見せていただきました。やはり行ってみたい北海道。来年度は必ず…

昼食後3R目が始まります。今回は私が昨シーズン、見事に外した場所です。もちろん、前回と同じ所で「待ち」として待機することを希望しました。
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狩猟記#2

急斜面を登り、因縁の場所に向かいます。懐かしい景色ですね。そしてそのまま「待ち」につきます。昨シーズンは2月だったこともあり、木に葉がついていなかったのですが、11月だとまだまだ葉がついています。つまり視界が狭くなっています。

木も多いので、鹿などが走行してきたらこの辺で引き金を引こうとか、イメージトレーニングをします。その通りになるかどうかはわかりませんが、するとしないではまったく違うと思います。

いつのものように気配を殺し、待機していると、近くで猟犬の鳴く声が聞こえてきました。これは近い!興奮を抑え、冷静に集中します。しかし、そのまま声は遠ざかっていってしまいました…今回も無理かな~とか思っていたところ、反対側の尾根から銃声が聞こえてきました。どうやら鹿?が出たようです。

その後は特に動きも無く、山の中に静寂が戻ったころ、二頭の鹿(親子)が斜面をこちらに向かって走っているのを確認しました。猟犬はいないのになぜ?疑問が沸きましたが、それは置いといて鹿の動きに集中します。一度深呼吸をし鹿の走行ルートを確認して照準をゆっくり鹿に合わせます。距離は30m弱といったところでしょうか?そして丁度木と木の間に母鹿が入ったところで、引き金を引きます。

1発目は母鹿の少し前方に着弾しました。急いで進路を変える母鹿。そして2発目の引き金を引きます。狙いは頭部。2発目は中ったような感じでしたが、そのまま走り出す鹿。そして3発目。手ごたえがありました。力なく崩れ落ちる母鹿。スローモーションで見ているような感覚です。

銃声もスラッグのリコイルショックもまったく感じませんでした。それだけ集中していたということだと思います。昨シーズン外した時と違う点は、冷静に鹿の動きを分析できたこと、射撃フォームもよかったと思います。これは射撃場での練習の成果かと(思いたいです)。

子鹿の方は逃げていきましたが、母鹿は仕留める事ができました。初の獲物。感慨深いです。と同時に生き物を自分の手で殺したんだという自覚。無意識で合掌をしていました。

その後

倒れた鹿を確認しました。装弾がどの部位に中ったのか分析するためです。2発目は右の耳を貫通し、3発目がネックショットでした。距離が近いとはいえいいとこに中ったと思います。その後、スマホで近くで「待ち」をしている方に連絡し、応援を頼みました。尾根で仕留めたため、車まで運ぶのが結構大変でした...まあこれもいい経験です。

そしていつものようにベテランの方が解体し、全員で分配。これも「巻き猟」のいいところw。初の獲物ということで、グループの方々に褒めていただきました。そして、ヒレ肉のご褒美つき。いや〜嬉しい。そしてそのまま終猟となり、解散しました。

今回、幸運にも鹿を仕留めることができました。もちろん生き物を殺す事への罪悪感もありますが、獲物を得られるのはやはり嬉しいものです。しかも初の獲物ですから。次こそは「1shot 1kill」を実現させたいと思います。そしてこれからも生命に感謝することを忘れず、安全に狩猟を楽しんでいきたいですね。それではまた。

本日の猟果
鹿1頭(雌)
Bork
考察
今回、冷静に鹿を追うことができた。その要因としては、やはり射撃練習の効果かと考えられる。私が行っているトラップ射撃と銃猟の共通点は、同じ散弾銃を使用する。動いている標的に対して射撃する。の2点である。標的の違いや射撃方向に違いはあるものの、約120kmで飛行するピジョンを撃つことに慣れていれば、鹿の動くスピードには充分対応が可能かと思われた。