先日、久しぶりに出猟してきました。といっても午後から仕事で出張のため、午前中のみ。今シーズンはあまり出猟できていないため、少しの時間でもあれば出猟する事にしています。なるべく、猟場に足を運ぶ。これが大切だと思っているためです。
『単独忍び猟』もようやく4回目… 『単独忍び猟』を始めた昨シーズンからですと、延べ8回。そろそろ獲物を仕留めたいですねw。
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天気:晴
気温:最低気温5℃ 最高気温14℃
日の出時刻:6:45
今回こそはと意気込み、日の出前に山に入ります。いつものように狩猟の準備をして山に入る。もしかしたらこの瞬間が一番好きかもしれません。満足度100%。まあこんなことで満足してはいけないんですけどね。日常とは異なる空気が自分の気持ちを高揚させてくれるのは事実です。
冷えた空気を吸い込みながら、ゆっくりと歩を進めていきます。今シーズン、これまでより成長した点は、この歩き方かもしれません。周囲に気を配りながらゆっくりと歩を進める。少しは上達してきたかと思います。
特に今シーズンは『巻き狩り』にほとんど参加していない事も影響しているかもしれません。『巻き狩り』では、“待ち”で尾根まで上るには結構なスピードで歩を進めているからです。『巻き狩り』だからといって雑に歩いていいというわけではありませんが、どうしてもスピード重視になっているのは事実です。
自分も成長したな~と自己肯定しながら歩を進めていると、「ピャッ」という聞きなれた鹿の警戒音が山に響き渡りました。「え、もう?」まだ暗いため、こちらからは鹿の姿は見えませんが、少し離れた山の中腹からガサガサと数頭の鹿の足音が聞こえてきます。そして、警戒音を発しながら逃げていく鹿達…
まだ狙っていた沢にも到着していません。過去最高の速さで鹿に見つけられてしまいました。成長したと思っていたのは…ただの勘違いだったようです。ガク…
山をこちらもゆっくりと登っていきます。速度が遅いため息が切れることもありません。“忍び足”はこういうメリットもあるかもしれませんね。息が上がり、呼吸に呼吸補助筋(僧帽筋や胸鎖乳突筋etc)を多く動員してしまうと、いざ据銃してもブレが大きくなることは容易に想像がつきますからね。
そして尾根に到着。この頃には山に陽が差し込み、明るくなっています。まずは深呼吸をして気持ちを落ち着かせます。いつもの登山気分は排除w。尾根から辺りを単眼鏡なども使用しながら入念に見渡します。
そしてゆっくりと狙いを定めている寝屋(と思われるポイント)に脚を運びます。目的地周辺まで来てから、もう一度深呼吸をします。そしてさらにゆっくりと歩を進めていきます。
鹿の新しい糞を確認しました。おそらくついさっきまでいたのでしょう。これはチャンスかもと高ぶる気持ちを落ち着かせます。丁度尾根が左にカーブし始め、日光がよく当たる場所に来ました。以前も鹿を見たところです。少し離れた場所から単眼鏡で入念に観察しますが、どうやらいないようです。
寝屋を変えたかもと思い、右に分岐していく尾根の方に視線を向けます。ここは下りながら分岐しているため、観察はしやすい尾根です。右側へ続く尾根上に鹿の糞があります。まだ新しい…ゆっくりとそちらに歩を進めていきます。
そして傾斜を下った時に、前方の木々の間から一頭の鹿が飛び出していきました!やはりいた。なぜか少し嬉しい気分になりましたが、急いで装弾を取り出し装填します。まだ間に合うかもしれない…と思いましたが、装填が完了したころには、鹿は林の中。見失いました。もしかしたら止まってこちらを見ているかもしれないと、単眼鏡で確認しますが、いません…またも失敗。
その他にも猪の濃いポイントま脚を伸ばし、糞や掘り起こした跡が無数にあるのを確認しました。そして猪らしきもの(姿は見えませんでいたが、藪の中でかなりガサガサしていました)にも会いましたが、発砲には至らず。残念ながらそのままタイムアップ…帰路につきました。
『沢狙いに囚われすぎていた点』が最も大きいかと思われた。11月の解禁から年内までは沢で鹿が水を飲んでいる時間に出会う確率が高かったが、年を明けてからは鹿の動きが少し早くなっており、沢に到着した頃には帰路につき始めていた。
原因は不明ではあるが、猟圧が増している事や日出時間が変わり、鹿の体内時計も変化している事などが考えられた。つまり、この時期は沢狙いではなく、帰宅してくる鹿を尾根で待ち伏せるようなスタイルの方が、適している可能性が示唆された。
すでに沢を通らずに尾根に登るルートは見つけているため、年を明けてからは尾根での待ち伏せ法を検証してみる必要性があると考えられた。