こんにちはBorkです。猟期解禁も目前ですね(というほどではないかな…)。前回は狩猟の対象である「鹿」の生態について勉強しました。私なりにネット情報から論文まで読みましたのでいろいろ勉強になりました。で、またまたなんですが、猟期前の学習として今回は猪の生態についても少しばかり勉強してみました。やはり獲物について知れば知るほど仕留める確率は高くなりますからね。
またまたですがw、私の好きな漫画「ゴールデンカムイ」の登場人物、悪魔の熊撃ちとして冬眠中の熊も魘される「二瓶鉄造」の名言を…
「個性と習性は別だ...習性を知り尽くせばこちらの有利に働く」
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特に猪は犬がいないとなかなか捕れないと聞いたことがあります。それは何故なのか?やはり猪の生態と習性を知らないと答えは出ないですよね。そのあたりも調べてみました。
ということで、知られざる猪の生態に迫りたいと思います(どこまで迫れているかはもちろんわかりませんw)。
出典:集英社
分布域も徐々に北上しているらしく、山間部から平野部へ生息域も拡大しているみたいですね。かつては人間が里山周辺に多く暮らしていたため、猪は山中に追いやられていたのが、現在は人間が里山周辺から減り、猪の本来の生息域である「里山と平地」に戻ってきているのでしょう。
そのため、人間と接触する機会が増え、時々事故として報道されているのだと思います。
猪は見て分かるように短足であるため、雪を苦手としており豪雪地帯にはあまり生息していないのですが、北海道を除く日本全域に分布しています。しかし、猪の生息調査をした報告(坂田2008)では、1m以上の積雪がある地域においても生息していることが確認されていることから、やはり日本全国に生息域が広がっているのでしょう。
日本の猪は、西日本を中心にニホンイノシシが、南西諸島にはリュウキュウイノシシが生息しています。体重はニホンイノシシが100kg、リュウキュウイノシシが50kgくらいと、海を隔てた大陸に棲む猪と比べると小型みたいですね。確かに大陸の猪は画像やYouTubeで見ると“デカい”ですよね。
次に社会構造ですが、猪は基本的に単独型の社会構造で2歳以上の成獣では、雄は単独で、雌はその年産まれた子供と一緒に生活するようです。雄は子育てには参加しないというのが猪の習性みたいです。
つまり、猟期に一匹でいる猪は雄か、もしくは2歳以上の雌である可能性が高いということですね。おそらく通常は2歳以上になれば出産して子供を連れていることが多いと考えられます。そのため、雄である確率の方が高いのでしょうか?
猪の性格は元来温和で、人間を避けて行動しており、夜行性であるのもこのためです。この記事の冒頭で書いた「猪は犬がいないとなかなか捕れない」というのは、ハンターが活動して山にはいっている時間は寝ていることが多く、寝ているときは人間が至近距離まで近づいてもその場を去るまで、じっとしてやり過ごす習性を持っています。
この事から、犬なし単独「忍び猟」で、猪とあまり出会わないのは、ハンター側が猪に気づかずに通り過ぎていることが考えられますね。活動している猪に出会うのは正に“運”かもしれません…
なかなか我慢強い生き物ですね、猪。見習わないといけないですね、これはW。
猪が生息している森林についてですが、スギやヒノキなどの針葉樹林の植林率が高い地域では目撃率が低いようです。その理由として、猪は食物を得たり、身を隠したり、子を育てるのに十分な下層植生を必要とすることが報告されています(小寺2001)。また、猪の食性として、土壌中の根茎や小動物、堅果類なども食物としているため、下層植生や土壌が乏しく、堅果の生産が少ないスギ・ヒノキなどの植林が多い地域ではやはり目撃率が低くなるとされています(坂田2008)。
海外(Jedrzrjewska 1994)においても日本(小寺2001)においても、猪は針葉樹林地よりも落葉広葉樹林への選考性が高くなっている事が報告されています。
さらに、鹿の目撃率が高い地域は、鹿による下層植生への食害が多いため、下層植生を食物としている猪の生息率が低いことも興味深い報告(坂田2008)です。
以上の事から、猪を狙うには、落葉広葉樹林で鹿が少ない地域を選ぶ必要があるということになりますね。こればっかりは歩いて山を巡り、観察していかないとわからないので、猟の下見が重要になると思います。
もちろん今回の猟期前学習で、鹿の時と同じですが、二瓶鉄造のように獲物の“習性”を知り尽くしたわけではありません。しかしながら少し猪の生態について知ることが出来ました。これからも継続して調べていきたいと思います。実際の猟場で猪に会えるか否かは「運」もあると思いますが、なるべく落葉広葉樹林を狙ってみたいと思います。いつか報告させていただきます。お楽しみに!それではまた。