ついにこの日がやってきました。11月15日、各県によって若干の違いはあれど、全国的には11月15日が解禁日です。昨シーズンは2月中旬から狩猟を始めたため、出猟はわずか4回のみ。今シーズンは初のフルシーズンということで狩猟をたっぷりと堪能したいと思います。
11月15日、この日は有給休暇を取り、憧れの狩猟スタイル「単独忍び猟」に挑戦しようと計画していました。そして実際に「忍び猟」を実現させました。大袈裟かもしれませんが、私としては大きな一歩を踏み出した感じです。
ということで、今回は解禁日の「忍び猟」についてです。それではよろしくお願いいたします。
これまではグループで行う「巻き猟」しか行ったことがありません。グループで行う「巻き猟」ももちろん楽しいのですが、登山が趣味ということや自然と一人で向き合う事が出来る「忍び猟」をどうしてもやりたかったので、記念すべき解禁日は「忍び猟」を行おうと決めていました。
当日は、朝5時に自宅を出て目星を付けていた猟場に向かいました。現地に到着し、周辺にハンターらしき人が乗っている車が無いことを確認し、駐車をします。グループ猟でもやっていたらトラブルになる可能性もありますからね...
そして、狩猟の準備をし日の出時間を確認し山に入りました。もちろん山の中はまだ薄暗く静まりかえっています。足音を極力立てないように歩きますが、地面に散らばった小枝や落ち葉で音が出ます。まあ完全に無音にするのは無理だと思いますので、あくまで極力出さないように注意し、進みます。
その時、前方の斜面から何か動物が下りてくるのが視界に入りました。
これ以上は無理そうなので立ち止まり、相棒に装弾をゆっくりと装填します。そして、遊底を閉じます。その瞬間、山の静寂を切り裂く「カシャーン」という金属音が響き渡ります... 金属音に気付いた親子鹿は一気に山を駆け上がっていきました。さらに「ピー」という警戒音のおまけつき...w。この遊底を閉じるときの金属音。自動銃の弱点ですよね。「巻き猟」だとそこまで気にならないのですが、「忍び猟」では致命傷かと。手で入れるというハンターの方もいるらしいのですが、回転不良が起きる可能性があるらしく、私はやらないと決めています。あ〜早くボルトアクションの相棒が欲しい...心の底からそう思いましたw。
気を取り直し、脱包してから次のポイントまで移動します。もちろん極力音が出ないようにゆっくりかつ周囲に気を配りながら歩きます。次は広葉樹が広がるポイントです。猟期前学習で学んだ通り、もしかしたら猪がいるかもしれません。途中特に動物の気配も感じずに尾根まで登りました。尾根をそのままさらに登っていくと、猪が掘ったとみられる穴があちこちにありました。初めて見る猪の“フィールドサイン”。なんか興奮しますね。そしてさらに寝屋と思われる場所もありました。まさに「山賊ダイアリー」で見たとおりの寝屋でした。
ほ〜と感心していると、尾根の反対側からガサガサと音が聞こえてきました。これはもしやと思い、息を殺し、気配を殺し(せてはいないと思いますが)、装弾をゆっくりと慎重に装填します。先ほどのように金属音が響かないように、射撃姿勢に入ってから遊底を閉じることにしました。さっきもそうしておけば良かった...後悔してもしょうが無いのですが、どうしても頭から離れませんね。
そしてガサガサという音が徐々に近づいてきます。さらに気配を殺し集中して待ちます。
安全狩猟を心がけているため、撃つのをやめました。すると私に気付いた猪が一気に走り出し逃げていきます。私も尾根まで登り後を付けようと思いましたが、追いつけませんでした...当たり前ですよね。猪は世界最速の男「ウサイン・ボルト」よりも足が速いのですから。
昭星に重ねた猪。何とも言えない感じでした。昨シーズンも一度、鹿相手にそのようなシチュエーションになりましたが、あの時は冷静さにかけ過ぎていたため、昭星に鹿を重ねる前に撃っていたと思います。今回は冷静に昭星に猪を重ねることができました。少しは成長したのかもしれませんねw。
せっかくのチャンスでしたが、自制心を働かせることができて良かったと思います。バックストップが無い状態で撃つのは危険すぎますからね。またチャンスはやってくると思い、山を下りることにしました。下山し車に戻ったのが大体14時くらい。本当はもう少しやりたかったのですが、用事があったためそのまま帰宅しました。
今回目撃したのは、鹿が二頭と猪が三頭(うち二頭が子供)。「忍び猟」デビュー戦としてはまあまあかと思います。運が良かったですね。残念ながら獲物を仕留めるまでは至りませんでしたが、いろいろなことがわかりました。今後の「忍び猟」に生かしていきたいと思います。
次は所属グループでの「巻き猟」です。こちらももちろん楽しみです。やっぱり狩猟はいいですね。「巻き猟」では獲物仕留められるのか?また報告します。それではまた。