猟期が終わってからすでに一カ月がたとうとしています。この時期思い出されるのが、2年ほど前に私が猟銃を所持するのに警察署を訪ねたのが4月でした。なんとアポなしで行ったんですよねw。今思うとあり得ない事をしていましたね。当時の担当の方、優しい対応ありがとうございました。
無事に2シーズンが終了し、少しばかり分かった事があります。そして現在所属しているグループにとても満足していますが、もし過去の自分に狩猟を始めるにあたりアドバイスするとしたら…2シーズン経験したからこそ、そして特に都心に住んでいる方にはアドバイスできることがあると思います。
過去記事でも「狩猟の始め方」をアップしておりますが、その記事を書いた時よりも経験値が増してますので、改めて記事にしたいと思います。
内容は都心に住んでいる方よりです。私がそうですのでw。
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すでに猟銃の所持許可・狩猟免許を取得済みという前提で話を進めさせていただきます。そちらを知りたい方は過去にも記事にしてまとめておりますのでご参考までに。
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まず、猟銃等所持許可および狩猟免許を取得しても狩猟への道が勝手に開かれることはありません!猟友会から勧誘が来ることもないと思います(地域によって異なるかもしれません)。つまり自分自身で能動的に動いてこそ道は開かれるのです。
そこで初めに考えるべき事…それは“どのような狩猟を行いたいのか?”ですね。これによって大きく進むべき道は変わってくると思います。
一口に狩猟と言っても様々なスタイルが存在します。例えば、鹿や猪、熊などを対象とする大物猟と鴨や雉などを対象とする鳥猟などではそのスタイルは全く異なります。もちろん使用する狩猟具も異なります(装弾も含め)。
そのため、まずはどのような狩猟をしたいのか?を考えておくべきかと思います。もちろん様々な狩猟をしたい!というのもあるかと思います。私もそうです。ただいきなり何でもかんでもというのは難しいと思いますので、大まかでいいので自分が一番行いたい狩猟スタイルを決めておくべきでしょう。
大物猟がやりたいという方の場合、次に決めるべきことは…グループ猟で行うか?単独猟で行うか?を考えてみましょう。なぜかというと、この2つは全くの別物です。対象は同じ鹿や猪ですが、狩猟スタイルは別物になります。もちろん狩猟具も異なりますし、山の歩き方一つとっても異なります。
現在の日本ですと上記のうち、グループ猟の方がメジャーな狩猟スタイルかと思います。恐らくですが、9割以上はこのスタイルで全国的に狩猟が行われているのでは(北海道は多少異なるかもしれません)。
グループ猟=巻き狩りということになりますが、このスタイルは猟犬ありきですね。「1犬2足3鉄砲」という言葉があるくらいですので。猟犬を山に放し獲物を仕留める。巻き狩りの場合、犬を放す人が“勢子”と言われます。一方で獲物が逃げてくる所に配置されるのが“待ち”とか“タツマ”と呼ばれる人です。この巻き狩りも獲物を鹿とするか猪とするかで内容は異なります。
例えば対象が鹿の場合、犬を放すと鹿は逃げていきます。そうすると必然的に“勢子”よりも“待ち”の方が仕留める確率は高くなります。一方で対象が猪の場合は、犬を放しても逃げずに犬と対峙する事が多い(猪の大きさにもよるかと思いますが)ため、こちらは“勢子”の方が仕留める確率が高くなると思われます。
このような『巻き狩り』を行いたい場合は、当たり前ですが必ずそのような狩猟(猟犬を所有)を行っているグループに所属しなければならないというわけですね。
そして単独猟(犬なし)を行いたい場合、こちらの狩猟スタイルは完全にボッチで行います。必要なのは「1足2データ3鉄砲」だと思いますw。私の数少ない経験からは...データというのは山について知っておいた方が獲物に出会う確率は高まるからです。このスタイルでは自分で獲物を捜さなければなりませんからね。『単独忍び猟』と一般的には言われております。だから特別グループに入らなくても大丈夫です。
どちらも非常に魅力的な狩猟スタイルです。もちろん両スタイルとも行うことも可能です。私もその一人です。
そうですね〜例えば『巻き狩り』をやりたい場合…こちらは必ず「猟友会」に所属する事になると思います。そして『単独忍び猟』をやりたい場合は…別に「猟友会」に所属しなくてもいいと思います。さらに両スタイルを行いたい場合…「猟友会」に所属する事になると思います。
狩猟をやるにはまず免許は当たり前として、「ハンター保険:個人だと損害賠償保険」に加入しないと県から許可が降りません。もちろん所謂“お金持ち”でハンター保険と同額の保証(3,000万円以上)を自腹で支払えるなら許可は降りるかもしれません。しかしまずそのような事はないと思います。
そして曲者なのがこの「ハンター保険」、基本的に「猟友会」などの組織に属していないと加入ができないのです。私も個人で加入できないかと、何社かの保険会社に電話しましたが、帰ってきた言葉が「団体様じゃないと加入が難しい状況です」…でした。かつては個人でも加入できたみたいですが、現在ではまず無理でしょうね。
では『単独忍び猟』のみ行いたいけど、「猟友会」には所属したくないという方は...時々インターネットでハンター保険加入(人数が集まれば団体として加入できる)を募集していることもあるようですし、一部の銃砲店で個人加入を扱っている事もあるようですので検索してみてもいいかもしれません。
さらに最近発足した『猟協』という組織があります。こちらは私も過去の記事で取り上げておりますので、参考に見ていただいてもいいかと思います。メリットは様々なものがありそうですが、ずばり『猟協』さんに入会すればハンター保険に個人でも入れるということです。これはありがたいですね!是非『単独忍び猟』メインで行い、かつ「猟友会」に所属せずに狩猟を行いたい方は検討されてみては如何でしょうか?
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では猟友会に入る選択をした場合ですが、まずは「猟友会」という組織について簡単に説明させていただきます。
猟友会とは、狩猟者のための公益団体で大日本猟友会と各都道府県猟友会、さらにその支部猟友会の三部で構成されている。大日本猟友会は、「野生鳥獣の保護」や「有害鳥獣の駆除」及び「狩猟の適正化」を事業の基本施策にしており、 さらにハンターのための共済や保険の代行を行っている。
各都道府県猟友会は、当該地域の狩猟情報の整理や狩猟者登録の代行を担っており、支部猟友会はハンターの窓口を担当している。
このように三部で構成されている組織で、大日本猟友会がその元締めといった感じですね。「猟友会」というと「獲物を狩る」というイメージだけが先行しがちですが、「野生鳥獣の保護」などの相反する活動も行っているようです(参加したことがないので詳細はわかりません)。
我々が入会するのは、ハンターの窓口である支部猟友会で、支部猟友会に入会するということは各都道府県猟友会に入会することとなり、さらに大日本猟友会にも自動的に入会することになります。そのため、それぞれに会費を支払うことになりますねw。これがバカらしいと言うハンターの方は多いと思います...
このような「猟友会」ですが、入会するメリットはあるのでしょうか?またデメリットは?まずはメリットの方から見てみましょう。
- 面倒くさい狩猟者登録などの手続き一切を代行してくれる
- ハンター共済に加入ができる
- 猟銃用火薬類無許可譲受票(猟期中に公安委員会の許可を得ずに装弾の購入が可)の発行
- グループの斡旋や先輩猟師を紹介してもらえる(かも…)
- 猟友会主催の射撃大会に出場することが出来る
こんなところでしょうか。ではデメリットを見てみましょう。
- 個人で登録するよりもお金がかかる
- 加入したグループのルールにある程度従わなけれなならない
- 付き合いを重要視される(かも…)
個人的な見解を申し上げますと…猟友会に入会する一番のメリットは、手続き等を代行してくれることではないでしょうか。手続き関係はすべて相手がお役所ですので、対応は平日が基本となります。そのため、勤務されている方は有給などを使い、役所に行かなければなりません。代行してもらえるのは非常にありがたいです。
しかしここで注意しないといけないのが...支部の「猟友会」に所属しても必ずしもその支部で狩猟を行えるかどうかは分からないという事です。意味が分からないかもしれませんが、「猟友会」に所属するという事は必然的にどこかの支部に入っています。しかしその中でもグループが別れており、そのグループに入れない場合は『巻き狩り』などは出来ないという事です。
私の所属するグループに2018シーズンから他の支部から異動していきた方がいますが、その方も入会したはいいがそういうグループには入れてもらえず、一人で鳥撃ちをしていたそうです...他にもそういう方がいらっしゃいます。そして私が狩猟免許の試験で知り合った同期も支部に所属したはいいけど、「狩猟の面倒はみれないよ」と言われてしまったそうです...こういう話を聞くと「猟友会」って何?と思ってしまいますね。また、銃砲店さんが支部長を務めている支部もあると思いますが、そういう場合はその方が狩猟に精通していればグループ加入への門戸は開けやすいかと思います。しかし、射撃系の場合は上記のような事があると思われます。
もし、「猟友会」に入会するならば...県の猟友会に問い合わせてグループを紹介してもらうのが1番確実だと思います。トップダウンで話をつけてもらう方がやはり確実です。私もその形で現在のグループを紹介していただきました。何の伝手もなく「猟友会」に入る場合はオススメです。
そうですね...ハンター保険については先述した方法で個人的に加入し、そして手続き系は有給を消化して自分で行えば狩猟の許可は降りるかと思います。しかしここで次の壁が出現します。あくまで都心に住んでる方がメインです。
それは猟場を自分で探さないといけないという事です!田舎の方に住んでいる場合は山も近くにあり(必ずしも狩猟区域かどうかわかりませんが)、狩猟を始めやすいかと思いますが、これが都心に住んでいると狩猟区域まで移動するのも大変になります。山に行ったとしてもすでにどこかのグループが入っている可能性ももちろんあります...そうするとトラブルになる事も充分に考えられます。縄張り意識が強いグループも多いかと思いますので。
ただ狩猟を始める前までは小さい話だな〜とか思っていましたが、グループ猟も行っている現在では少しばかりその気持ちもわかります。自分の土地ではないんですけどねw。私も小さい人間でした。気づけて良かったw。
この猟場探し、結構大変かと思います。私は『単独忍び猟』用に猟場を開拓しましたが、先輩からのアドバイスあってのものです。これが完全にボッチだったら...どうなっていたのでしょう?猟場を探すだけで猟期が終わっていたかもしれません。
あとは、そのようなトラブルに巻き込まれた場合、「猟友会」に所属していればどこかで誰かが繋がっている可能性もあるので穏便に済む事も考えられます。しかし完全にボッチだと...どうなるんでしょうね?こういう事があるかもしれないと頭の片隅に置いておいて方がいいかもしれません。
そしてあまり人と関わらずに狩猟をやりたい方は「猟協」さんなどのハンター保険を扱っている組織に入会し、猟場を開拓して『単独忍び猟』を楽しむのがいいかと思います。『巻き狩り』と『単独忍び猟』はまったくの別物ですので、一から『単独忍び猟』用の技術を磨いていけばいいかと思います。
2年前に「猟協」さんが誕生していたら、そちらに同期と一緒に入会していたかもしれませんw。
現在の自分が過去の自分にアドバイスをするとしたらこのような感じですね。わかりにくくてすいません。まあまた来シーズンには考えが変わっているかもしれませんw。どうだろう?まあ変わったら変わったで。それではまた。
追伸:今年度から有害鳥獣駆除の隊員になりましたので、5月くらいからは有害鳥獣駆除ダイアリーを記事にしていけるかと思います。