雑記#2(猟犬:日本犬について考察 Part1)

雑記


日本犬伝説

今回も猟犬特集です。中でも我が日本国が世界に誇る名犬達、『日本犬』について考察していきたいと思います。自分が日本人だからかもしれませんが、日本犬独特の ”凛” とした雰囲気がかっこいいですよね。ちなみに、『日本犬』には定義があります。

日本犬
日本犬は、6犬種の犬がいます。この6種類は、大きさで、小型犬(柴犬)、中型犬(紀州犬、四国犬、甲斐犬、北海道犬)、大型犬(秋田犬)の3型に分類されています。それぞれ性格や体様に特性があり、毛色も様々な種類があります。
これはこちらで定義されたものです。引用☞公益社団法人日本犬保存協会

闘犬として有名な土佐犬や日本スピッツなどは『日本犬』には定義されていないんですね。日本古来からパートナーとして生きてきた犬の形態をなるべく引き継いでいるものを日本犬として定義しているようです。たしかに土佐闘犬は四国犬に様々な洋犬(マスティフ、グレートデン、ブルドックなどなど)が掛け合わされ戦うために作成された闘犬用の犬です。犬としての歴史はそこそこありますが、日本犬である四国犬の面影は全くありません!歴史は長くともあまり幅がありすぎると定義するのが難しいですからね。納得です。ちなみに、日本犬保存協会に登録されている6犬種はすべて天然記念物でもあります。読み方は甲斐犬以外はすべて「いぬ」ですね。

それでは、どのような犬たちなのか1種づつ見ていきましょう!

秋田犬

秋田犬は日本犬の中では唯一の大型犬です。日本では忠犬ハチ公として有名です。海外でも非常に人気のある犬種で、有名どころですとロシアのプーチン大統領が2匹の秋田犬を飼ってますし、先日の平壌オリンピック女子フィギアスケートの金メダリスト、アリーナ・ザギトワ選手が金メダルのご褒美に雌の秋田犬を飼うということで話題に上りましたよね。さらにその名前が「マサル」!らしく、こちらもある意味話題になりました。途中で「マサル」が男の名前だということを知り、変更しようとなっていましたが、やっぱり「マサル」でいくようです(笑)。日本犬に日本の名前、いいと思います!

秋田犬というと、犬漫画で有名な『銀牙-流れ星 銀-』の主人公 ”銀”(犬ですが…)が秋田犬です。この漫画で活躍する銀は熊犬です。私は幼少のころ、この『銀牙』が大好きで何度も単行本を読んでいました。

銀牙-流れ星銀-とは?
銀牙は週刊少年ジャンプで連載された高橋よしひろ先生の漫画で、単行本は全18巻となっています。犬を主人公としたストーリーで、奥羽山脈に根城を構えようとする巨熊「赤カブト」を倒すため、銀の父親カリスマ総大将リキが全国から本物の”男”達を集結させ、最終的には主人公”銀”が父親リキから伝授された熊犬のみにしかできない一子相伝の必殺技(のちに熊犬の技ではないということが発覚します…)で「赤カブト」を倒すという壮大な物語です。また本編は様々な犬種が登場するのが醍醐味の一つです。

と、私は秋田犬はマタギが古来から相棒としていた熊犬だと信じていました。しかし!実際は異なっており、現在の秋田犬のルーツもちろんマタギ犬ではありますが、実際は大正時代から盛んであった闘犬用に体格を大きく、また闘争本能を高めるためにマスティフなどの洋犬と秋田マタギ犬や中型のマタギ犬を交配させ作成された犬となっており、さらに第二次世界大戦中に犬の毛皮が軍用の防寒衣料として用いられたことから、その難を逃れるために軍用犬であったジャーマン・シェパートと交配させたという話があります。つまり歴史的には土佐闘犬(四国犬をルーツに洋犬と交配)と似てる(軍用の防寒衣料以外は)?ということですかね。

その後、一部の有志が集まり、当時のマタギ犬の面影が残るように品種改良を行い、昭和後半になり現材の秋田犬として固定化されたとのことです。マタギ犬として用いられた犬は現在の秋田犬よりも小型だったようです。現在の歴史もあまり長くないようですが、日本犬としては最初に天然記念物に指定されています。

ということで、おそらく現在では狩猟に用いられていないかと思います。

紀州犬

出典:http://www.koinuno-heya.com/syurui/kagyou/kishu-ken.html

紀州犬は中型犬で、秋田犬の次に大きな犬種です。また、柴犬の次に飼育されているようですね。紀州という名前からもわかるように和歌山などの紀伊半島一帯が起源で特に熊野地方が本場のようです。主に猪猟に昔から使われており、獣猟犬としては非常に能力が高いとされています。代名詞的な白い毛は猟師が銃を使用する際に猪と間違えないように白犬が重宝されたためで、現在95%以上が白毛となっているようです。確かに、私も経験がありますが茶色の犬は一瞬鹿と間違えそうになることがあります(撃ってませんよ~)。

現在は狩猟人口も減ったため、ペットとして飼われていることが多いらしいですが、現役の猟犬としても頑張っているようです。昔の紀州犬は今のものよりも頭骨が大きくさらにがっちりした体型だったらしいです。頭骨が大きいということは顎の力もおそらく強かったのでしょう。さらにゴツイ紀州犬、一度見てみたかったですね〜あと有色の紀州犬にも非常に興味があります。

四国犬

四国犬表紙写真

出展:https://www.hapiwan.jp/profile/shikokudog

四国犬も中型犬に属しています。四国がついていることからもちろん四国が産地となります。外観はその毛色も相まって日本狼を彷彿とさせる鋭い感じが特徴です。かつては高知県が発祥の地とされていましたので「土佐犬」と呼ばれていましたが、土佐闘犬と紛らわしいので現在は「四国犬」と統一されています。

四国犬のルーツは山奥に住んでいた「ヤマイヌ」とされており、そのヤマイヌを猟師が飼い慣らし、さらに狩猟用に改良を加え現在の四国犬につながっているようです。かつては「阿波」「本川」「幡多」「宇和島」「安芸」などいくつかの系統があったようですが、衰退や交配が進んだことなどの理由から「安芸」「本川」「幡多」の3つの系統だけが残りました。現在の四国犬は「本川」系統の子孫となっています。

四国犬は現在でも猟犬として活躍しており、私が狩猟を行うきっかけともなった徳島の猟師さんも四国犬(純血か否かは不明です)を猟犬として用いていました。ヤマイヌがベースということで主人には忠実ですが、その他の人には心を許さないのが特徴です。飼ったことはないので真偽のほどはわかりませんが…。日本犬はだいたいこのような性格であると記述されていることが多いような気がしますね。マニアックな犬のためペットショップでは売買されることはほぼないようで、ブリーダーから直接購入するという形になると思います。

ここまでで、日本犬6犬種のうち3犬種を紹介しました。どの犬も雰囲気があり素晴らしいですね。個人的には有色の紀州犬が最も興味をひかれました。5%しかいないそうなので、なかなか出会う事は無いと思いますが。いつか飼ってみたいですね。

残りの3犬種は、「日本犬について考察Part2」で紹介させていただきます!