狩猟記#4(Season1 final)

Season 1 (2017)


巻き狩り4戦目(2018.3.11)

ついに私の超短い猟期もfinalを迎えました。思えば、新年を迎えてからの飛び込みで猟隊に入れていただき、私の今シーズンが始まりました。はっきり言って準備不足で猟隊の方々には迷惑しかかけておりませんが、快く受け入れていただき感謝しかありません。いい猟隊に入れたなとつくづく感じます。

今日こそは鹿を…

1度目と2度目のミスショット(涙)。そして前回3度目の正直を果たそうとしましたが、残念ながら鹿の姿を拝むことはできませんでした。

その様子はこちら☞狩猟記#1 狩猟記#2 射撃記#3

今日で狩猟も終わりです。実際は15日で終了ですが、私が所属する猟隊では日曜日が狩猟日である事や私自身も15日は仕事があるため単独での忍び猟もできない事から11日が最終となります。そのため、非常に気合が入ります。とは言うものの、撃ち気に逸って誤射という事故だけは避けなければなりません。狩猟は安全第一ですので冷静に行きたいと思います。特に確認もせずに撃つ、そういうハンターにはなりたくはありません。狩猟での事故(誤射)防止はハンターの意識1つではないかと思います。

第1R

今回もいつもの場所に集合し、猟師同士の軽くたわいもない談笑から始まります。この談笑が楽しいです。先輩の方々から狩猟のノウハウを聞くこともでき、また私が興味を持っている猟犬についてもいろいろ話が伺えます。その間に勢子の2人で猟犬を入れる場所を相談し、その後師匠も加わり『待ち』を決めていきます。

『待ち』の場所を確認し、それぞれが移動します。今回は私と同じ若手猟師の方(先輩です)と一緒に組むことになりました。車に同乗させていただき移動します。途中狭い林道に入っていき、そして『待ち』につきます。しかし、『待ち』につく途中でチェーンソーの音が聞こえてきます。「これは鹿は来ないだろうな」そう思いましたが、他の猟師の方々に林業の方が山に入ってることを無線で飛ばします。その後、猟犬が入れられたところで、先輩猟師が移動していきます。

いつものように山に静寂が訪れ、息を潜め、殺気を出さないように待機します。が…やはりチェーンソーの音が。これは無理だなと初心者ながら感じました。しばらく『待ち』についていましたが、猟犬が戻ってきたらしく、一度『待ち』をとき、集合するように指示が入ったようです。先輩猟師とともに集合場所に戻ります。

第2R

第2Rも先輩猟師とともに『待ち』の場所に移動します。次は林業の方が入っていないエリアのようです。前回『待ち』についた場所ですね。今回は本当に山の静寂、息を殺し、殺気を潜める。この感覚が今シーズン最後かと思うと、寂しく感じます。

猟犬が入れられたと無線が入りましたので、相棒に実包を装填し、集中し待ちます。先輩は自分よりも上で『待ち』につきました。しばらくすると、猟犬3匹が離れたところを駆け上がっていくのが確認できました。これはもしやと思い、さらに集中します。

すると、上の方で銃声が2発!おそらく先輩猟師だと思います。もしかしたら鹿が降りてくるかもしれない。そう思い、あたりに気を配りますが、さらに遠くのほうで銃声が3発聞こえてきました。その後先輩猟師が降りてきました。どうやら師匠が鹿を仕留めたらしいです。鹿を回収し、いつもの解体場に移動します。

そしていつものように、ベテラン猟師の方が手際よく鹿を解体していきます。来シーズンにはなんとか自分でもやりたいと思い見学します。この鹿、お腹が少し大きいと思っていたら、子宮から小鹿が出てきました…。この世に生まれ落ちることなく母鹿とともに生命を奪われてしまった。狩猟を行うということはこういうものなんだなとあらためて感じました。そして気づくと無意識に合掌していました。

鹿の解体が終了すると、昼食の時間となりました。この時間も猟銃の事や狩猟の事などいろいろ話を伺えるので、楽しい時間帯です。この時は、私が所属している猟隊の隊長が、例年10月は北海道で蝦夷鹿猟を行っているという話を聞きました。蝦夷鹿!YouTubeでしか見たことありませんが、広大な北海道での狩猟はロマンを感じますね。調子に乗って、自分も興味があることを伝えると「一緒に行く?」と言われ、これは行くしかない!二つ返事でお願いしました。

北海道での狩猟は獲物との距離があるので、自分の相棒では厳しいと思います。そうすると、現状私が所持できる猟銃で最も有効射程距離が長い「ボルトアクション」の散弾銃が必要になります。これは購入するしかないと、自分で勝手に盛り上がったところで、3R目の準備が始まりました。

第3R

3R目は初めての場所で『待ち』につきます。今回は師匠に案内され『待ち』のポイントを教えてもらいます。鹿がどこを通るのか。大変勉強になります。そして、猟犬が入れられたと無線が入りました。今シーズン最後の儀式、相棒に実包を装填します。この緊張感も最後だと思うとやはり寂しい気持ちです。もっと早く狩猟をやっておけば良かったな~とか、色々な考えが頭を巡ります。それでも最後のチャンスにかけて、集中します。

自分はGPSを持っていないので、猟犬がどのように動いているかは全くわかりません。頼りになるのは鳴き声のみ。聞き逃さないように聴覚に意識をさらに集中します。そしてイメージトレーニング。集中して待機していると、遠く猟犬の鳴き声が聞こえてきました。しかし、遠ざかっていきます。ほどなくして、一発の銃声が。もしかしたら、終わったのかな?そう思っていると、師匠が上から降りてきました。やはり他の『待ち』の方が、鹿を仕留めたらしいです。

その後は鹿を回収して、いつものように解体が始まりました。この光景も来シーズンまで見ることはできないので、しっかり見学します。そして、鹿肉をおすそ分けしていただき、最後に猟隊長から今シーズン事故なくこれたこと等の挨拶があり、来シーズンよろしくという形で解散となりました。私も先輩方にお礼の挨拶をして帰路につきました。

今回も残念ながら鹿の姿を見ることはできませんでした。これも狩猟です。来シーズンこそはなんとか鹿を仕留めたいと思います。見学からの飛び込み状態で猟隊にいれていただきましたので、準備不足は否めませんでした。これ以上迷惑をおかけしないように来シーズンまでに装備、そして射撃練習により射手としての腕を上げていきたいと思います。

Bork
考察

  • 今シーズンの結果:出猟回数4回、射撃数4発、猟果0!
  • 来シーズンまでの課題                           1.必要装備の補充:無線機(アマチュア無線免許取得)、GPS購入       2.射撃技術の向上:トラップ射撃だけでなく、スラッグ弾を用いた標的射撃練習も行う                                   3.現在の猟場の『待ち』のポイントを覚える。単独忍び猟挑戦に向け、山を歩く